【妊娠中期】(妊娠27週~)

第61話「貧血と高齢妊婦優遇使えず?!」

「で、これお顔なのわかります?目目鼻・・あ、これ手ね。出てるの、
  あ、これも手なんですけど、よく動くね。
  たぶんすごい動いてる時間なんでしょうね。
  はい、週数的には問題ないとおもいます。OKです。」


先生はそういって、机に戻って診断書に記載し始めた。



マルコー妊夫「第61話 貧血と高齢妊婦優遇使えず?!」



先生「あ、ちょっと体重増えたね。
   これ以上は・・ここでキープしてね。
   あと、この後に採血しに行ってください。
   貧血になりやすい時期だから、今日検査しちゃいましょう。」


そう、妊娠中期以降の妊婦は貧血になりやすい。
それは、赤ちゃんや子宮が大きくなると、
体内の血液の量が大幅に増えるのだが、
血液の成分である血漿のほうが増え、
赤血球の増産が追いつかない。
このため、血が薄い状態になり貧血となる。
また、赤ちゃんも血を作るための鉄が必要であり、
妊婦より優先的に使われるから
妊婦の鉄が不足しがちになるようだ。


妻「これって、今日使えます?」


妻が出したのは「妊婦超音波検査受診票」。
出産予定日現在、満35歳以上になる人だけに使える、
超音波検査が1回分タダになる区役所からの助成チケットだ。


これを見て、先生が一瞬固まり、カルテを見返す。


先生「あ、あぁ、見た目が若いから
   一瞬、このチケット使えないじゃん、って思っちゃった。
   そうだね、使えます・・けど。。」


妻「受診票に妊娠28週以降って書いてあるんですよね。」


妻は明日から妊娠28週に入るのだ。
厳密にいうと1日足りない。


先生「そう、なんか言われるとイヤだから次回からにしようか。
   今回は妊婦健康診査受診票だけで。」


妊婦健康診査受診票は
妊婦検診が1回分タダになる区助成チケット。
区へ妊娠届けを提出したときに、2回分だけもらえるのである。
妊婦検診は1回で5000円かかるのでバカにならない。
(2008年4月1日から大田区では
 「妊婦健康診査受診票」は14回分となった。
 また35歳以上に限定されていた
 「妊婦超音波検査受診票」については
 年齢制限がなくなったので、誰でも1回分公費負担となった。)


先生「ほかに何かある?」


妻「便秘がひどくて。週に1回くらいなんです。」


先生「それはヒドイね。
   便を柔らかくする「酸化マグネシウム」は使ったことある?」


妻「はい。飲んで数日後から少し効果ありました。」


先生「そうか。じゃ、「酸化マグネシウム」に加えて、
   目薬みたいな薬を出すから、5滴から始めてみて。
   これはすぐに効くはずだから、
   うまく調節しながら使ってみてください。
   それでは、次回は2週間後ね。はい、いいですよ。」


診察が終わり、採血センターまで移動中。


俺「先生、高齢妊婦であること忘れてたね。
  ま、それだけ、順調ってことなのかな。」


妻はお腹に手を当て、安心したように笑みを浮かべた。


そして
いよいよ妊娠後期となる妊娠8ヶ月目に突入した。



マルコー妊夫「第62話 出産準備品とネットオークション」へつづく。

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第60話「顔色白いけど」

この物語は
高齢出産を控える妊婦の様子について夫が記した事実であり、
主人公の主観的要素は多分に含まれておりますが、
フィクションではありません。



マルコー妊夫「第60話 顔色白いけど」



妊婦検診は妊娠初期段階で胎児に心拍が確認できれば、
次の検診から妊娠7ヶ月まで4週間間隔で行われる。
その後、妊娠8ヶ月に入る頃から臨月まで2週間に1回、
臨月になると毎週検診になるという。


今回は最後の4週間検診となる。


先生「顔色白いけど、
   それは皮膚も白いからなのかしら。ふらついたりします?」


妻「一回、ちょっと」


先生「むくみなし・・えっ、倒れた?なんか真っ白ですね、顔。」


妻「もともとなんですけど」


先生「う~ん、今日採血しちゃおうかな、
   今日券持ってきてます?」


妻「もってます」


先生「まぁ次回でも今回でも
   どっちでもいいくらいの週数なんですよ。
   もし今回やっちゃうと次回までに結果も出ますのでね。
   ちょっと顔白いってなんとなく思うんだけど
   今日って採血して帰る時間ってあります?」


妻「はい、大丈夫です。」


先生「大丈夫?じゃ、やっちゃおうね。」


先生は超音波機器を妻のおなかに当て、
モニターには映像が映り始めた。

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先生「はい、頭です。下ですね。
   で、ママの右側に赤ちゃんいますね。
   パクパクパクって心臓動いてますね。
   胃袋あって、膀胱あって。
   ちょっと大きさ測っていきますね。」


胎児の重さは、
頭の横幅(児頭大横径:BPD)
太ももの骨の長さ(大腿骨長:FL)
腹部の厚み(軀幹横径:APTD)
の3つから算定される推定体重で判断される。

先生「これが、この細いまっすぐした白いのが、
   太ももの骨です。
   そしてそれから、この丸いのが頭なんですけど、
   これが頭の大きさを表しています。 で、頭、足、最後に、
   ここで心臓が真ん中で動いているので身体なんですけど、
   この体幹の輪切りを測ると・・・体重が出ます、
   952グラム27週サイズ。
   いいと思います、ぴったりくらい。
   多少誤差があるから、もうちょっと大きいかもしれないし、
   もうちょっと小さいかもしれないけど
   そんなに異常にこう広がりがあるわけじゃないから
   大丈夫です。 お腹が張ったりとかあります?」


妻「そうですね、張るようになってきましたね」


先生「張るようになってきた感じがする?」


妻「グッて赤ちゃんが動いたときに硬くなるような感じになります」


先生「あ、張るのはそれであってると思います。
   ただ、まあ、赤ちゃんが動いたときと、
   ママが動いたときに張るのはしょうがないかもしれない。
   でも何もしてなくても、こうキューってなるのは
   あんまりよくないかなって感じですけどね。

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   で、これお顔なのわかります?目目鼻・・
   あ、これ手ね。出てるの、
   あ、これも手なんですけど、よく動くね。
   たぶんすごい動いてる時間なんでしょうね。
   はい、週数的には問題ないとおもいます。OKです。」


先生はそういって、机に戻り、診断書に記載し始めた。



マルコー妊夫「第61話 貧血と高齢妊婦優遇使えず?!」へつづく。

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第59話「ハイリスク妊婦の障害」

この物語は
高齢出産を控える妊婦の様子について夫が記した事実であり、
主人公の主観的要素は多分に含まれておりますが、
フィクションではありません。



マルコー妊夫「第59話 ハイリスク妊婦の障害」



妻「最近、お腹が張るんだよね~」


この時期になると、
赤ちゃんがお腹で活発に動いたり、
妊婦が運動したり、刺激や疲れからお腹が張ることがある。
でもしばらく休むと収まるのであれば異常ではないらしい。


しかし、お腹が長く張り続けたり、
次第に強くなって規則的に張るようであれば危険信号。
切迫早産になる可能性がある。


切迫早産とは
妊娠22週以降37週未満の間に
赤ちゃんが生まれそうになることをいう。


妻「張る、張る、張る・・貼る温パックスっ!」


ま、妻の場合は、いまのところ大丈夫そうだな。。。


妻「ねぇ、この記事見てよ。」


妻の目に留まったのは、その日の日経夕刊記事。


35歳以上の「高齢初産」の妊婦が、
産科診療所で分娩を断られているという内容だ。


『医療を効率よく提供するため、
 リスクの高い出産は医療設備の整った大病院、
 それ以外は診療所でという役割分担が進んでいる
 (出産ジャーナリスト河合蘭)』


『特に40歳以上の初産は妊娠高血圧症候群や合併症のリスク、
 帝王切開が必要になる確率も高く、
 大病院でないと対応は難しい
 (愛育病院産婦人科院長中山摂子)』


俺「俺らは新生児集中治療室なんかもある大病院だし
  問題ないでしょ。」


妻「そうじゃなくてさ。
  私がショックだったのはここ。」


『高齢でも『出産はうまくいって当たり前』と考えている人も多く、
訴訟リスクも無視できない(福田産婦人科内科医院長福田栄)』


なるほど。


妻「確かに私も
  「出産はうまくいって当たり前」ってどこかで思ってるもん。
  改めて言われてドキっとしたよ。」


俺「高齢初産がハイリスク妊婦であることは変わらないんだから、
  油断しちゃダメってことだな。」


最近は、高齢出産の芸能人やスポーツ選手も多く、
晩婚化で35歳以上の出産も珍しくない。
俺の周りでさえ、妻が高齢出産になると言っても、
「そんなの高齢に入らないよ。30歳代なら大丈夫でしょ。」
なんてヌルイ雰囲気があるのも事実だ。


でも医療上は、やはりハイリスク妊婦。
検診費用は高くなり、自分の望むような産み場所は
制限されてしまうのが現実のようだ。


今一度気を引き締めなければならないな。


そんな緊張感をもったところで、
妊娠8ヶ月目に入る検診日がやってきた。



マルコー妊夫「第60話 顔色白いけど」へつづく。

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第58話「歓声→恐怖!第2回母親学級」

この物語は
高齢出産を控える妊婦の様子について夫が記した事実であり、
主人公の主観的要素は多分に含まれておりますが、
フィクションではありません。



マルコー妊夫「第58話 歓声→恐怖!第2回母親学級」



俺「どうだった?今日の母親学級は」


妻「うん、今日のは面白かったよ」


俺「面白かった?へぇ~どんな?」


妻「授業中に、赤ちゃんのいる病棟に
  みんなで見学に行ったんだ。
  赤ちゃんが並んでいてさ、みんなで
  「きゃ~」「カワイイ~」なんて歓声が上がって大騒ぎ。」


俺「あははは、そりゃプレママたちはテンション上がるわな。」


妻「でもね、そのあとに分娩室の見学に行ったの。
  観にいったところは、誰もいなかったんだけど、
  隣の部屋から、この世のものとは思えない
  わめき声がしてね。
  「私もあんな声をあげることになるのかしら」なんて
  みんなの空気が一気によどんじゃって、
  不安と恐怖の中、教室に戻ったのよ。
  も~どうせ見学しにいくなら順番逆にしてほしかったよ。」


ま、どちらにしても産む苦しみは変わらないと思うけど。。


妻「休み時間にね、妊婦さん3人で、アソコ切る話したのよ。
  赤ちゃん出てくるときにアソコを切るっていうじゃない。
  そしたら一人知らなかったみたいでさ。
  へその緒を切る話だと思ってたみたいで、
  「痛いんですかね。神経通ってるんですかねぇ」
  なんていうから、「アソコですよ、アソコ」って言ったら、
  「えぇ~!?切るんですか!!」なんて超驚いてたよ。
  わたしが初めてその話聞いたときと
  同じ反応で笑っちゃったよ。」


俺「そりゃ驚くだろうよ。
  で、授業の内容はどうだったの?」


妻「母親ってスゴイなぁって思うのがあったよ。
  例えばね、赤ちゃんが生まれて胎盤が取れると、
  それがシグナルになって母乳が出るようになるんだって。
  あと、母乳を赤ちゃんにあげることによって、
  ママの身体の回復も早くなるとかさ。
  それと、赤ちゃんが太ってきたとき、
  それが母乳で育ったときはすぐに元に戻るから
  先生から注意されないけど、市販のミルクの場合は、
  赤ちゃんが元に戻らないから注意されるんだって。
  母乳っていろんな力があるんだなぁ、
  ってビックリしちゃった。」


なるほど、そういうのを
生命の神秘とでもいうべきなのかな、不思議なもんだなぁ。


妻「あぁ~それにしても、あの声。。」


俺「陣痛は、出産の体験本やらマンガやら
  たくさん読んでるじゃん。
  イメージトレーニング出来てるんじゃないの?」


妻「本なんて、あの生声にはかなわないって、
  あぁ恐ろしい。。」


とまぁ、
第2回母親学級を終えた妻は
テンションが上がったり下がったりと忙しい心理状態だったが、
そうはいってもそれはきっと普通の妊婦の状態ともいえる。


そう、自分が高齢初産の妊婦であることって
最近どこかに置き忘れていて、油断をしているのだ。



マルコー妊夫「第59話 ハイリスク妊婦の障害」へつづく。

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