【妊娠初期】(妊娠11週~)

第35話「陣痛食とテニスボール」

妻「でも、陣痛って、どれだけ痛いの?
  味わったことない痛みだっていうよね」



マルコー妊夫「第35話 陣痛食とテニスボール」



Saki「そうね、痛いよ。
   よく、ドラマとか映画で出産シーンあるじゃない。
   あれよね。」


Ham「最初のコのときは、うぅ~って。ボク、パニック」


Saki「そう、あんなに痛そうな顔した私、見たことないもんね。
   それで彼の腕を掴んでね、こらえてたの。」


Ham「ツカまれたのがツヨくて、こっちがイタイっ」


Saki「そしたら彼、腕をつかまれるのがイヤで
   テニスボールを私につかませてさ。
   ホントだったら、このボールは陣痛をやわらげるために
   背中とか腰をマッサージするものなんだけど。。
   でも、これがね、ちょうどいいのよ。」


Ham「ドラマとかは5分とかでオギャーでしょ?
   あれが4時間、5時間続く。」


Saki「そう、だからタイヘン。
   で、長いから途中で、陣痛食なんて出るんだけど」


妻「陣痛食?」


Saki「そう、やわらかいもの中心なんだけど、
   こんな陣痛の真っ最中に食べれるわけない!!
   って、思ってさ。
   でも一口でも食べろっていうから
   リズムの底のところで食べて
   波がきたら、またウゥ~って。
   でも案外、食べれちゃうのよね~。
   それで食べ終わったら破水して生まれたの。
   食べたことで何か伝わったのかしら。」


妻「三人目はどう?」


Saki「二人で十分。」


Ham「おカネないし。」


妻「お金かかるもんね~」


Saki「あ、そうそう、この本あげる。
   一人目の子のときに買ったの。」


妻「へぇ~、ありがとう。もういいの?」


Saki「だから、もういいって。二人で十分」


妻・俺「あはははは」


お言葉に甘えて、
妊娠出産のQ&A的な本などをいただいた。
やはりみんな最初の妊娠は
こういう本を参考にするんだな。


この日、
妻はまだ生まれたての赤ちゃんを抱かせてもらい、
出産秘話も聞けたことで
さらに妊婦の実感がわいてきたようだ。


でもその実感が
ときにはこんなことも引き起こす。



マルコー妊夫「第36話 胎動の謎」へつづく。

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第34話「陣痛カウントダウン」

この物語は
高齢出産を控える妊婦の様子について夫が記した事実であり、
主人公の主観的要素は多分に含まれておりますが、
フィクションではありません。



マルコー妊夫「第34話 陣痛カウントダウン」



この日、
妻の友人のお家へ遊びに行った。


友人は、日系ハワイ人の夫Hamと日本人の妻Saki。
Sakiが次女を出産したばかりで、
Hamのお母さんがハワイからヘルプで日本に来ていた。


実は、俺らが新婚旅行でハワイに行ったときに
彼のお母さんに1日観光案内してもらった縁もあり、
日本に来ているなら是非ランチでもってことになったのだ。


次女のYuは生まれて3週間。
3500グラムと大きめで生まれたとはいえ、
ホントに小さく見える。
けどコレが母親のお腹の中にいたと思うと
とても大きくも見える。


ランチのときに
出された飲み物は麦茶だったり
カフェインの入っていない珈琲だったり、
さすが妊婦がいた家。
妊婦に必要なものはなんでもそろっている。


そして、お産の秘話を聞いた。


妻「6月頭の出産予定日なので
  まとまんの仕事も一段落したころだし、良かったと思って」


Saki「ってことは立ち会うの?」


俺「立ち会おうと思ってるけど。
  Hamは立ち会わなかったの?」


Ham「立ち会わなかったけど、直前まではベットにいたよ。」


Saki「陣痛って、波があって、それがわかる機械があるの。
   私からは見えないんだけど。
   そしたらHamがね、
   機械見ながらカウントダウンするのよ。
   陣痛くるまで『スリー! ツー! ワン!!』とか。
   もうやめて~って感じ」


妻「ほんとにカウントダウンどおりにくるの?」


Saki「うん、くる。
   だんだん短くなるでしょ。5分、4分、3分って。」


Ham「カウントダウン、おもしろい。」


Saki「おもしろくな~い!!」


妻「でも、陣痛って、どれだけ痛いの?
  味わったことない痛みだっていうよね」



マルコー妊夫「第35話 陣痛食とテニスボール」へつづく。

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第33話「分娩費用の金額表」

診察部屋を出て
入院手続きの場所に行くまでの廊下を二人で歩く。


俺「羊水検査のことなんて俺、全然知らなかった。
  つまり、検査で染色体異常がわかったときは
  赤ちゃんを下ろすこともできるよ、ってことでしょ?
  俺らは、いいよね、やらなくて。」


そう言って
俺は隣を歩く妻の顔をのぞいた。



マルコー妊夫「第33話 分娩費用の金額表」



妻「うん。
  わたしはね、羊水検査の話をされたとき
  そのことかな、と思ったんだけど、
  ちょっと自信がなかったからあの場では言わなかったの」


俺「知ってたんだ。
  そうだよね、妊娠系の本、結構読んでるもんね。」


入院退院手続きの窓口に着き、早速手続きに入る。


窓口「正常分娩ですね。
   予定日をはさんだ6日間で予約をします。
   部屋はどうされますか?」


窓口の係りは、金額表を提示してきた。


窓口「個室は780,000円、二人部屋680,000円、
   大部屋600,000円です。金額はあくまで概算で、
   当日に現金で保証金として預かります。
   退院時に実費分を差し引いて返金いたしますので。」


妻「大部屋でいいよね。」


俺「いいんじゃない?いろんな人とも会えそうだし。」


窓口「それでは大部屋でご予約ですね」


俺「予定日より大幅に前後した場合はどうなるんですか?」


窓口「あくまで日付は目安です。
   予約さえしてあれば、大丈夫ですよ、ご安心ください。」


そして帰り際。


妻「よかった~
  これで産める場所確保だね。ホッとしたよ。」


俺「そうだね。でも、それまでは、身体に気をつけないと」


妻「それにしても、赤ちゃん、見れなかった~
  なんで私だけ~。
  いつカーテン開けてくれるんだろって思ってたら
  先生が私の足を叩いて、「写真あとで見せるからね」って。
  えぇ~なんで今見せてくれないのぉ~だよ」


俺「確かにね。前の病院だったら見せてくれたしね。
  でも大丈夫だったよ、赤ちゃん、動いてたし。」


妻「足とか手とかヒクヒクしてた?こんな感じ?丸いの!?」


俺「う~ん、丸くなくて、指もあったような」


妻「ウソウソウソウソ、えぇ~見たかったぁ~
  次の診察まで4週間なんて待てないよ~
  ムリムリムリ。。。」


俺「まぁまぁまぁ・・」


そのときの妻の悔しがりようと言ったらなかったが、
妻のお腹の中では確実に一つの命が育まれていて、
その命が誕生するであろう場所を
俺らはなんとか確保することができたのだった。



マルコー妊夫「第34話 陣痛カウントダウン」へつづく。

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第32話「勉強不足!!」

俺も喜んで診察室の中へ。
この後、先生にキツ~イお叱りを受けることを知りもせず。。



マルコー妊夫「第32話 勉強不足!!」



医者「はい、じゃ旦那さんはその椅子に座って。」


お医者さんは
ちょっとかっぷくのいいオジサン先生。


妻はカーテンの中にいて、
俺はカーテンの外の椅子に腰掛けた。


エコーの画面は俺に向けられていて、
お医者さんがいろいろと説明を始めてくれるが、
妻はカーテンに遮られて画面は見えない。

32












医者「大きさは、4.3センチ。
   ちょうど11週の大きさだね。
   子宮内に腫れは・・・なし。
   経道は4~5センチが正常と言われているけど
   5センチあるので問題なし。
 
   染色体異常の子供は
   頭の後ろがふくらんでいたりするんだけど、
   それも・・・見受けられませんね。大丈夫。

   今のところ、順調と言えますね。
   だから、次の検診は4週間後でもいいんじゃないかな。
   分娩予約だけはこの後にすぐしてください。

   あと、羊水検査はしますか?」


俺「??」


医者「言っている意味わかる?」


俺「・・いえ。」


医者「勉強不足!!」


俺「はぁ、すいません」


医者「奥さんは35歳以上なので高齢出産リスクがあります。
   高齢出産では染色体異常の赤ちゃんが
   生まれる可能性が高いのね。
   羊水検査は、16週~18週までにお腹に針をさして
   羊水を抜いて、染色体異常を調べるものです。
   厚生労働省は、妊婦は勉強しているものとして
   妊婦からの申し出がない限り、
   病院側からこのことを案内しないように、としています。
   そうすることを国が推奨するようなものだからね。
   検査費も10万円ほどするし、ちゃんと考えて
   4週間後の診察の際に、行う場合は申し出てください。

   それでは、分娩予約などの入院手続きについては、
   看護師がこのあと説明するので、手続きに入ってください。
   お大事にね。」


診察部屋を出て
入院手続きの場所に行くまでの廊下を二人で歩く。


俺「羊水検査のことなんて俺、全然知らなかった。
  つまり、検査で染色体異常がわかったときは
  赤ちゃんを下ろすこともできるよ、ってことでしょ?
  俺らは、いいよね、やらなくて。」


そう言って
俺は隣を歩く妻の顔をのぞいた。



マルコー妊夫「第33話 分娩費用の金額表」へつづく。

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第31話「婦人科?産科?」

缶コーヒー?カイロ?お湯?小児科?


しかしそれは、俺がまだ
赤ちゃんを育てたことがないからか、と
この後の会話で痛感する。



マルコー妊夫「第31話 婦人科?産科?」



「だからカイロは携帯してなきゃダメなのよ。
 急なミルクを温めるのに必要なんだから。」


お母さんは赤ちゃんを抱き、
おばあちゃんはその付き添いで来ていたようだ。
赤ちゃんの顔には少し目立つシミがあって、
それを消すためにこの病院の皮膚科の紹介を受けたらしい。


そしてどうやら、
赤ちゃんのミルクをヒト肌まで温めるため
本来ならお湯で作るところ、手持ちにないので、
缶コーヒーかカイロを使って温めようとしていたらしい。


なるほど、そういう技があるのか、なんて思っていると、
受付でようやく名前が呼ばれた。


次は産婦人科の窓口で受け付ける。
問診票を渡され、記入し提出。
10時28分だった。 31


妻「窓口で婦人科ですか?産科ですか?
  って聞かれちゃった。」


俺「え?何か違うの?」


妻「そりゃ違うよ。
  産科は赤ちゃん産むのに係るところ。
  婦人科は、ほら、おばあちゃんだって入っていったでしょ?
  あと不妊治療している人だっているだろうし。」


俺「えぇ~不妊治療している人にとったら
  この待合室の状況は辛いんじゃないの?」


そう、待合室のソファーに座っているのは
見るからに妊婦ばかり。
お腹が大きい子連れの妊婦もいる。
隣が小児科なので
走り回ってくる子供たちもいるのだ。


ここでさらに30分ほど待って、妻が呼ばれる。


俺「俺は?」


妻「ちょっと待って、中で聞いてみるから。」


そういって診察室に消えていった妻。
こんなに待ったのに、
お腹の赤ちゃんの様子も見れなかったらショック~


すると1分ほどして
看護婦さんが俺の名前を呼ぶ。


「エコー画像、一緒にご覧になりますか?」


「はい。」


俺も喜んで診察室の中へ。
この後、先生にキツ~イお叱りを受けることを知りもせず。。



マルコー妊夫「第32話 勉強不足!!」へつづく。

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第30話「分娩室を予約せよ!」

この物語は
高齢出産を控える妊婦の様子について夫が記した事実であり、
主人公の主観的要素は多分に含まれておりますが、
フィクションではありません。



マルコー妊夫「第30話 分娩室を予約せよ!」



たとえ妊娠したとしても、
生む場所が確保できてなければ生むことはできない。
だから、分娩室の予約は非常に重要。


このとき
妻は11週目。
13週を過ぎたら予約を受け付けてくれないというTH病院は
分娩室がすぐに予約でいっぱいになってしまうらしい。


だから紹介状を書いてくれたM病院は
できるだけすぐにTH病院へ行って予約せよ!
と言ったのだ。


俺は午前休を取って、妻に付き添う。


自分の子供が生まれるかもしれない場所が
ちゃんとしたところかどうか
自分で見ておきたかったからだ。 30









9時28分
紹介状があるヒト専用の窓口で受け付け。


紹介状があるとはいえ、
診察カードの作成時間などに時間がかかるのか、
ここで45分ほど待たされる。
大きな病院はこれだから困る。


女1「缶コーヒー売ってないかな」


女2「ウチから水筒でコーヒー持ってきたわよ。
   わざわざ買う必要ないわ。」


女1「そうじゃなくてさ。
   ウチにカイロがなかったからさ。」


女2「カイロ?あぁ、これから何かと使うんだから
   買っておかないとダメじゃないの」


女1「皮膚科に行く途中に売店があったはずだから
   そこで買うよ。」


女2「そうね、お湯は売ってないけど
   カイロならきっと売ってるわね。
   小児科に行ってもお湯は譲ってくれないわよ。
   そういう決まりになってるはずだもの。
   だからカイロは携帯してなきゃダメなのよ…」


待合室でソファーに座っていると後ろから聞こえてきた、
お母さん(女1)とおばあちゃん(女2)の会話。


あまりにも大きな声でやりとりしているので
耳にイヤでも入ってきたのだが、
話の流れがイマイチ見えてこない。


缶コーヒー?カイロ?お湯?小児科?


しかしそれは、俺がまだ
赤ちゃんを育てたことがないからか、と
この後の会話で痛感する。



マルコー妊夫「第31話 婦人科?産科?」へつづく。

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